起業の詳細について
形態(法人or個人事業主)
個人事業主
起業した経緯
私は、誰もが知るような大手の製造業のデジタル回路エンジニアとして働いていました。私の主な担当業務は半導体設計で、簡単にいうと、カメラメーカーのキャノンが開発しているDigicのような、デジタル技術を応用した半導体部品を作るような仕事でした。しかし、この仕事は開発費用として数千万円必要な仕事でした。そのため、その開発費が出せなくなった我が社は、この仕事を撤退しました。しかし、半導体設計のノウハウは今後も世の中で必要だと思い、思い切って会社を辞職してデジタル回路設計を主軸とする会社を起業することを思い立ちました。
起業前の経歴
起業前には、私は、大手電気メーカーのエンジニアとして20年ほどデジタル回路エンジニアとして働いていました。そこで、優秀な先輩設計者と衝撃的な出会いをし、彼から、半導体設計のノウハウを徹底的に学びました。そして、絶対に失敗しない回路設計手法と、胆嚢機で設計できるノウハウを学びました。しかし、その先輩は私の会社に見切りをつけ退職し、設計を専門とする会社を立ち上げました。彼の影響もあり、私も、専門用語としてはIP設計と言われる、設計技術を商売とする会社を起業することにしました。
起業内容
具体的な起業内容としては、資本金として500万円用意しました。これは、半導体設計のシミュレーションをストレスなくできるパソコン関連機材を購入うするための最小限の資金でした。最初は、ひとりから始めましたが、少しずつ仕事が多くなり始めたので、かつての職場の同僚などに声をかけ、優秀な設計者を呼び寄せるようになりました。かつての同僚は、大手財閥の参加である大企業にいるということもあり、きてくれる人材は少なかったですが、私の熱意に賛同してきてくれる人もちらほらといました。
私が起業した企業の業務内容は、半導体設計用のデジタル回路をVHDLにて実現した、設計コンテンツで、主にはIPと呼ばれている成果物です。
イメージしていた成功ストーリー
このビジネスモデルでは、近年、具体的な設計業務を放棄しつつある、大手製造業において、デジタル回路の設計代行を行い、それに対して、正当な報酬受けることで、製造業にとっても、我が社にとってもWinWinの関係を勝ち取るというものです。そして、自分の会社で築き上げた設計成果物を、多数のメーカーに販売することで、大きな利益を生み出すことで成功するというものでした。設計データーについては、実際に製造するわけではないので、大きなコストが発生せず、知的財産だけで利益率を上げられるという目論見がありました。
サービス・商品メニュー内容
具体的にラインアップした商品は、半導体設計のデータと、C言語を利用したプログラミング成果物、エクセルなどを利用したマクロのプログラミングなどでした。どの生活物もテキストベースであるため、コストがかからずアイディアだけで成立する成果物です。しかも、オリジナルのノウハウが入っているため、世間では高く評価されると思っていました。ただし、懸念されるのはライセンス問題でした。特許的なことに絡むと、同一の特許内容を複数社に公開することになるのが、グレーゾーンでした。
上手くいった点
うまく行った点は、企業から依頼を受けた使用にて忠実に設計ができたことで、多くの企業の満足を得ることができたことです。しかも胆嚢機なので、多くの企業にてよろこんでもらえました。しかも、弊社オリジナルの差別化要素も盛り込むことができたので、とても感謝してもらっていると実感しました。特にデジタル回路設計については、VHDLを利用していたため、顧客側も独自でシミュレーションができ、自分たちの設計成果物をクライアントが自身で動作を検証できるところが良かったと思います。
失敗した点
失敗した点は、特許に関することです。我々は、オリジナルの要素を盛り込むことで、差別化できるような回路設計をしてきましたが、それは、ある意味特許問題とも絡んでいて、その、特許にまつわるオリジナル技術を多数の会社に提供してしまったことです。あらかじめ、自社にて特許提案をしていれば良かったのですが、それをしていなかったため、後々トラブルになってしまうような状況でした。しかも、自社で考えたアイディアをクライアントに特許提案されてしまうようなアクシデントにも見舞われました。
特に心に残っている失敗エピソード
一番心に残っているエピソードは、やっぱり特許関連にまつわる話です。どう考えても、自社で思いついた特許なのに、実際にその内容を盛り込んだ設計コンテンツをクライアントに送付すると、その内容をクライアントが勝手に特許提案してしまう事態になってしまうこともありました。もっと、秘密保持契約などきちんとした文書での取り決めをしておけば良かったと後悔した瞬間です。特許については、誰が最初に考案したのかということよりも、言ったもの勝ちなので、もっと慎重に物事を運べば良かったと感じています。
起業の結果について
人数(社員やアルバイト)
社員数は12名です。営業担当は、私一人で、その他は全て技術担当です。
最大月商
最大月商については、おおよそ、3千万円程度です。
最大借金
借金はありませんでした。
結果(今の状態)
色々とありましたが、現在のビジネス展開にて、この仕事を進めています。
今の状態は、大手メーカーが技術の空洞化が進む中、我々の設計能力を提供することでうまく行っている気がしています。今後はもっと、需要が増えることが見込まれていて、我が社としても安泰と言えるでしょう。
多くの製造業の技術の空洞化の中、我が社のような存在は貴重なようで、製造業に新たな差別顔嘘を提案する企業として、活躍し始めています。ライセンス問題にはまだ問題点も残りますが、今後もっと需要が高まるムードです。
過去の自分が改善すべきだった点
過去の自分が改善すべきだった点については、かつての私は完全にただのエンジニアでした。しかし、今後はもう少し経営に特化した勉強もすべきだと感じました。特に、特許分野での問題については、もう少しべっ教すべきと感じました。特許ビジネスだけでも大いに設けることができるため、新しいアイディアが出た時には、クライアントに提供するよりも早く特許提案を先にすべきであることを学びました。これからは、企業に対してアイディアを公開する前に、特許庁に申請しておこうと思いました。
これから起業する人へのアドバイス
これから、起業したいと考える人も多いと思います。しかし、起業するときに真っ先に考えるべきことは、世の中にニーズがあるかということです。ニーズがないのに起業してもビジネスは成立しません。私の場合は、エンジニアとしてのスタートでしたが、エンジニアの視点を超えて、マーケティングをしっかりして、世の中のニーズをはっきりさせることが1番の最重要課題です。エンジニアの人もまずは技術から離れて、世の中の動向をしっかりと見極めることが大切なのではないでしょうか。
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