起業の詳細について
形態(法人or個人事業主)
個人事業主
起業した経緯
大学新卒から葬儀会社に努めていました。葬儀会社は人件費、会場の維持費など、経費がかかるものが多く、その分が利用者の負担になっていると感じていました。そうしたものをなるべく抑えることによってお客様により安く、丁寧なサービスを提供できると思い、個人事業主として独立をしました。また葬儀自体には必要な道具なども少なく、個人でも十分に管理できる点も大きな魅力でした。式の当日、人手は必要ですが、スポット的に手伝ってくれる方も目処がたっていました。
起業前の経歴
独立前は同じく新卒から15年ほど、葬儀の現場一本で勤めてきました。はじめは暗い業界なのではないかと思っていましたが、実際に働いてみると色々とやりがいも感じることができました。人の死に関わることは非常に重く感じます。ですが、それまでの生き方を聞いたり、参列された方が悲しみだけでなく、思い出話に花を咲かせている姿を見るとこちらの心も暖かくなりました。ただこれまでの経歴が一社ということもあり、独立してから始めて取り組むことも多く、困惑も多くありました。
起業内容
葬儀の実施がメインとなります。お客様に料金を提示し、ご納得いただければ葬儀に関するサービスを手配します。当日の司会進行、運営も一人で行い、人数が足りなければ手伝ってもらう形です。しかし、実際に注文を受けるまでの営業活動は困難を極めました。受注した回数はそれほど多くなかったので、ほぼ全ての時間を営業活動に充てることになりました。サービスが売れるまでの営業活動を軽視していたのだと思います。その他にもホームページの作成や広告の作成など、多くの業務をこなしました。
イメージしていた成功ストーリー
利益率が非常に高いので、月に3件でも入ればこれまでの収入を上回り、生活も安定する予定でした。楽観的と言わざるをえません。実際には2ヶ月で1件ほどでそれでもいいほうです。4ヶ月受注なしということもありましたので、その期間は広告費などの出費だけがかさんでいきました。施設や病院に営業をかければすぐに仕事がもらえると思っていましたが、すでに大手が手を回しており、自社に発注する理由がほとんどなかったのでしょう。
サービス・商品メニュー内容
これまでの葬儀よりも安くサービスを提供できるようにしていました。利用者にとって葬儀は相場がわかりづらく、不安な面が多いサービスです。そこにしっかりと丁寧に営業をかけ、安い金額を提示できれば受注が可能と思っていました。
上手くいった点
実際に自社で葬儀を上げた方からは大変好評をいただいていました。私自身、接客には自信がありましたので、人柄を褒めていただくことも多くありました。そこは大手にはない強みであったと思います。また金額についても高い満足度を得ることができました。お客様と細かく打ち合わせを行ったことにより、不必要なものは金額を抑えて実施していました。こうした細かな金額設定やお客様に合わせたサービスの実施などは大手にはない、自社の強みでありました。
失敗した点
営業に苦戦しました。自社でサービスを受けられたお客様の満足度は高いのですが、口コミで広がっていく業界ではありません。営業に関しても目処を立てていた施設、病院等はほぼ空振りに終わってしまいました。またチラシや看板、ホームページと広告費をかけてもその効果は非常に低いものでした。その際にも安くない金額を投入していたので、しっかりと効果分析をして資金を投入するべきでした。営業費がかさんでしまい、資金も自然に不足するようになってしまいました。
特に心に残っている失敗エピソード
営業が全て空振りに終わってしまったことが今でも強く記憶に残っています。門前払いもありましたし、そのときに手応えを感じても、その後の連絡が途絶えてしまったりと徐々に自信をなくしてしまいました。事前相談や終活のセミナーも行い、そちらの評判は上々だったのですが、受注にはつながりづらいもので時間のロスとなってしまいました。また何度も相談してくださる方もいらっしゃいましたが、非常に元気でまだまだ長生きされる様子でした。
起業の結果について
人数(社員やアルバイト)
1人
必要があれば葬儀当日にアルバイトを2,3人
最大月商
40万円
最大借金
500万円
結果(今の状態)
今はこれまでの営業経験を活かせると思い不動産会社に勤めています。主に賃貸を担当していますが、丁寧な接客を心がけています。借金は親に肩代わりをしてもらい、毎月少額ながら返済しています。当時のことは苦しい思い出ばかりで、次に生かせる経験かと言われると疑問が残ります。ただ、あの破れかぶれに行動できた自分を少しでも信じて、どんなことにもチャレンジしようと思っています。実際に残ったのは借金だけで、清々しいほどの失敗です、
過去の自分が改善すべきだった点
しっかりと事業計画を建てることと、リサーチを徹底的に行うことです。当時は広告費などをどんどん払ってしまい、当初の計画よりも多くの出費がありました。正直、借金もするつもりもありませんでした。もっとしっかりと調べて、費用についてはシビアに、多く見積もったほうが良いでしょう。またマーケティング調査もしっかりと行うべきでした。ニーズがあると思い、起業をしましたが、その感触は自分の中にだけです。会社に勤めているときからしっかりとリサーチし、自分の中と社会とのズレを認識しなければなりませんでした。
これから起業する人へのアドバイス
私の失敗から言えることはマーケティングと資金計画を徹底的に行うことです。実際に起業してみるとわからないことと不測の事態ばかりです。計画通りにいかないことがほとんどなので、計画に意味はないという人も多いのですが、うまくいかなかったときの想定をするのは必要です。起業するときは成功するイメージしか持てませんでしたが、失敗するリスクも認識する必要があります。そしてその時の対処方法は必須となります。極端な場合、どこまていったら撤退するかまで、ある程度、決めたほうがいいでしょう。実際には失敗する人がほとんどなのです。
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