起業の詳細について
形態(法人or個人事業主)
個人事業主
起業した経緯
企業をしたきっかけは、大学3年生のときに始めた家庭教師のアルバイトにさかのぼります。当時数人の生徒を掛け持ちしていたのですが、受験勉強に向かって勉学に励んでいる高校生を手助けできる仕事に大変やりがいを感じました。その後、塾講師のアルバイトをしていた友人とともに「大学受験を焦点にした、学習塾を設立しよう」ということになりました。大学3年生の12月からは就職活動をするか迷いましたが、友人とも相談を重ねて起業することを決意しました。
起業前の経歴
起業するまでは、兵庫県にある中高一貫の私立学校を卒業し、ストレートで慶應大学文学部に入学しました。そのため、起業するまで正社員として働いた経歴はありません。アルバイトとしては、大学入学とほとんど同時期に始めたチェーン店であるドトールコーヒー系列のエクセルシオールカフェでアルバイトをしていました。また、大学2年生の4月から約半年、塾講師のアルバイト、大学3年生から家庭教師のアルバイトを経験しました。
起業内容
起業内容は、「大学受験合格を焦点にあてた学習塾」です。個別指導、または生徒2人対、先生が1人という指導体系です。基礎学習に重点を置きながら、しっかりと1つ1つ生徒が理解できたかを確認して、授業を進めていきます。決まった学習要項というものはなく、生徒個人に合わせたカリキュラムを組んで指導していきます。また、難関大学出身者から志望校を絞るにあたってのアドバイスや、参考書の選び方、受験期までの過ごし方など幅広い指導を行います。
イメージしていた成功ストーリー
難関大学合格のためには、基礎をしっかりと理解してから、応用をつめるという作業が必要になってくると考えていました。そのため、丁寧に指導をおこなっていけば確実に偏差値は伸びていくし、合格にむけての成功率を上げることができるという自信がありました。個別指導、または生徒2人対、先生が1人という体系であればそれが可能だと考えました。口コミで広がって生徒がどんどん増えれば、優秀な講師もそれに合わせてリクルートしていこうと考えていました。
サービス・商品メニュー内容
提供していた主なサービスは、大学受験にむけた学習指導です。指導する側は、大学受験の経験をしてからあまり月日が経っていない人材でした。そのため、より役立つアドバイスや指導をすることができました。個別指導、または生徒2人対、先生が1人という指導体系でおこなっていました。使う教材は、生徒一人一人のレベルに合わせて講師がピックアップしていました。
上手くいった点
上手くいった点は、学習塾に通っていた生徒の偏差値を上げることに成功し、志望校のランクを1から2まで引き上げることができたという点です。大人数での指導ではないため、個人個人に目が届きやかったという利点がありました。そのため、「この生徒はまだ理解できていないな」と講師が感じるときは、一旦授業を中断し、丁寧に基礎から説明するといった指導が可能でした。また、受験勉強に際して出てくる疑問(一日どれくらい勉強すれば良いのか、等)について経験談をもとに回答することができ、生徒の安心につながりました。
失敗した点
失敗した点は、生徒が思ったよりも集まらなかったということです。当初私と友人は、確実に生徒の偏差値をあげて合格させることができれば、入塾希望者はうなぎのぼりに増えていくようなイメージを抱いていました。しかしながら、なかなか思うように生徒は集まらず、次第に入塾していた生徒も卒業していき、生徒数は減っていきました。チラシやHP、看板など入塾希望者を増やす工夫は様々行いましたが、目立った効果は見られませんでした。
特に心に残っている失敗エピソード
HPを作ったときのことが心に残っています。HPは簡単に作れるようにテンプレート式になっているようなものもありますが、本格的なものを作ろうと思うと、なかなか素人では難しいです。業者にお願いするとしても、数十万単位の金額が必要になります。迷った挙句、奮発して業者に委託してHPを作りました。仕上がり自体はとても満足できるものになったのですが、それで入塾希望者が倍増するわけではなく、思ったほどの宣伝効果はありませんでした。
起業の結果について
人数(社員やアルバイト)
社員3人、アルバイト2人
最大月商
25万
最大借金
120万
結果(今の状態)
今現在、塾を一緒に始めた友人とも話し合った結果、閉鎖することに決めました。一時期は学習塾の場所を確保したり、コピー機や電話回線、参考書や本棚など様々な初期費用がかさんで借金が膨れ上がりましたが、私自信がやっていた副業のおかげで現在は返済し終わっています。学習塾の閉鎖にあたっては通っている生徒に迷惑をかけましたが、それほど人数も多くなかったのでひとりひとり丁寧に説明して納得してもらうことができました。
過去の自分が改善すべきだった点
過去の自分が改善すべきだと感じているのは、「見通しの甘さ」です。当時の私は、仕事内容の一部を経験したのみで、ビジネスが上手くいくようなイメージを勝手に持ってしまいました。しかしながら、現実はそれほど甘くありませんでした。仕事内容は生徒の学習指導だけではなく、営業をして生徒を獲得したり、宣伝を積極的におこなって事業を拡大していく必要がありました。私はそういった部分に時間と労力を十分にさけていなかったのだと思います。
これから起業する人へのアドバイス
これから起業する人に対しては、「見通しを細かく、厳しく、立ててください」というアドバイスをしたいです。できるだけ具体的に、最悪のシナリオの場合はどうするのか、こういったトラブルが起こった場合はどのように対処するのか、など様々な想定されるケースをあらいざらい考えてほしいと思います。そうすると、次第に自分が今やるべきことも明確になってくると思います。また、自分がおうリスクに対しても把握ができ、それを踏まえて起業するかどうかの判断をすることができます。
コメント