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【月商48万円/借金0円】フリーランスの服飾雑貨デザイナーで起業

【月商48万円/借金0円】フリーランスの服飾雑貨デザイナーで起業
目次

起業の詳細について

形態(法人or個人事業主)

個人事業主

起業した経緯

服飾雑貨デザイナーを職種とし、メーカーの会社員としてデザイナーをしていたが、転職を期に以前から取引のあった会社さんから単発でデザインの仕事をしないかとお誘いが複数あったことで、フリーランスとしても活動できるのではないかと考えた。転職し、2番目に入社した会社は技量を強く評価してくれたが、とある社員1人が社内の人間関係や仕事を乱す人で、直接かかわり合いのある仕事をしていて心身共に辟易していて辛い思いがあった。ある時、日々積もっていたものがとうとう体の不調として現れ出勤が出来なくなったことを期に退職を決意。正社員から業務委託契約に切り替え、個人事業主としてスタートした。

起業前の経歴

業務委託契約になる前の半年、一度は心身の問題で退職を希望したが会社より縁を失いたくないと言って頂け、社内初の在宅勤務が許可された。会社員としての待遇のまま在宅勤務(週1、2回の出勤)。当然風当たりは強かったが、理解してくれる方もおり、また週1、2回の出勤時には客先へ出向く外出業務が多く気にならなかった。むしろ私の技量を認めてくれている人しか近寄ってこなくなったため仕事はしやすくなった。しかし、半年程度で私生活の方で入籍、引っ越し等の変化があり通勤が1時間半かかる場所に居住地が変わった。徐々に体調を戻しつつあったが、長時間の通勤のストレスで体調不良をぶり返すようになり、会社へ大きな迷惑がかかる前に退職を決意した。

起業内容

中国等に協力工場をもっているような小さなメーカーと契約をして、服飾雑貨デザイナーとして主に鞄や小物(財布やポーチ)等のデザイン、指示書の作成、原寸図面(設計図のこと)などを起こし工場へ依頼をかける仕事。また、ブランドを運営している会社へ出向き、担当デザイナーやバイヤーの希望や意見を聞き、商品を作り出す営業仕事もある。お客様がイメージされているデザインイメージを実際の絵やイラストを描きシミュレーションを起こし、客先での社内会議のサポートをする。

イメージしていた成功ストーリー

個人事業主として登録したタイミングで業務委託の契約は3件、取引の大小はあるが最低でも月10万程度の売り上げになるつもりで活動。ちょうど入籍して私生活にも変化がある時期だったため、療養しつつ、妊活しつつ、なによりも業界と縁が切れないように活動し、妊娠出産育児の少し落ち着くタイミングで正社員に復帰する予定で始めた。(アパレル業界のためファッションの流行など常に触れていないと、どんどん生まれる新しいファッション用語などついていけなくなってしまい、復職が厳しくなってしまうため。)

サービス・商品メニュー内容

本来ならば、客先が自社で作成しなければならない指示書を、商談の中の情報だけで完結させること。LINEやSkypeなど使えるツールを駆使して気軽に応答が出来る環境を作り、急な変更も対応できるようにしたこと。

上手くいった点

客先は店舗で店長をやっていたなどの経歴の若い子を本社に起用してデザイナーにすることが多く、商品を作る上での経験や専門知識を持っていない方がほとんど。とはいえ、簡単な鞄であっても作り方や型紙、使用する芯材等を失敗すると不良になってしまうため、工場へサンプル作成を依頼するには知識を持った人が作る指示書が必須。そんな中、会社の規模が小さく専属のデザイナーを持っていないメーカーと、専門知識と指示書や図面を起こせる私が業務契約を結び、客先に当たることで品質の工場と、客先にとっては「ただ作ってみたいイメージを言うだけ、他社の商品を自分のブランドの雰囲気にうまくアレンジしてくれる」といった客先の仕事を減らしてあげられるサービスで重宝された。

失敗した点

開業したタイミングが2020年の3月7日。前職の会社が会社都合として退職させてくれたこともあり失業保険を受給していたが、単発でデザインを作って欲しいという会社や、客先へ一緒に出向いて対応してほしい会社など、業務契約を結ぶ予定の会社からの希望もあり再就職手当をもらう手続きを取り復職を早めてしまった。その頃はまだコロナ感染症がここまで悪化するとは到底思えない状態だったため、開業を進めてしまった。最初の3月、4月はある程度の収入になったが、5月ごろから急激に悪化。2020年の秋頃の商品企画がすべてキャンセルになってしまった。また個人事業主に向けた持続化給付金も6月末の段階で今年開業者も含まれたが、範囲ギリギリの3月開業だったため、1月~3月の売上平均しかみて貰えないこのシステムに合わず、給付金も微々たるものになった。また、契約先も規模が小さく今回のコロナ禍で経営が落ち込み会社を畳むか否かの段階まで来ている。小さい会社をメインの取引先にしていたことが何よりも失敗だった。

特に心に残っている失敗エピソード

契約先の1社は今後アパレル業界の1社として規模を大きくしていくためのビジョンなどよく話を聞いていた。技量をよく認めて下さり、仕事を任せてくれていたため今後も仕事を続けられるような過信があったと思う。未来をどんなに大きく語っても現状、会社を残せるかどうかわからない程度の小さな会社であるという意識が足りなかった。仕事の案件が立ち上がってから実際に商品を生産して、納品するまで4か月以上もかかるアパレル雑貨業界は、銀行からの借り入れのバランスを崩し倒産することが多い。また、生産国の為替や情勢に左右されることが多く、そもそもお金の流れがとてもリスクの高い業界であること、また「服飾雑貨」という存在自体が外出自粛が叫ばれる中でまず先に不要になっていく商品であることなど、国の情勢にも大きく影響を受ける仕事であることのリスク把握が甘かった。大きな夢を語っていた会社はあっという間にアパレルの「製造業」の部門から撤退を決意し、違う部門への移行を探っている。よくも悪くも技術職の私は簡単に職を変えられず自身の職種リスクを思い知らされた。

起業の結果について

人数(社員やアルバイト)

本人のみ。

最大月商

4月売上48万

最大借金

借り入れ無し

結果(今の状態)

メイン3社のうち1社のみデザインの仕事が継続出来ている。商品の発注自体は目減りしているそうだが、こんな状況だからこそ商品提案を止めてはいけないと奮闘し依頼をくれている。大きな夢を語っていた会社はコロナ前後で進んでいた案件がまだあるため細々と取引はあるが、出勤することもなく、元々単価も低いものであったため月額数千円レベルの業務内容にまで落ち込んだ。最近になって客先の大手ブランド会社から2020年秋冬の新規商品の作成に許可が下りたらしく連絡が来たが、納期も短い、商品単価も低くなり、持っている工場背景では対応しきれず断る状況が続いており、益々製造業からの脱出が予測される。

過去の自分が改善すべきだった点

まず開業時期が間違っていた。ワクチンの無い感染症が瞬く間に広がっていくこの状況をあまく考えていた。世界の景気や人の移動が落ち込むと真っ先に不況になるのは小売業。その小売業に商品を納品している製造業が落ち込まない訳がない。6月まで失業保険が貰える予定だったので、それを最後まで貰い、状況を鑑みるべきだったと思う。また、前職を退職した後に新居を購入しその1室を広々と仕事部屋にしたために、開業に向けてミシンやPC、モニターや作業台、プリンター等、多数の備品購入を行い設備投資にずいぶんお金をかけてしまった。事業が起動に乗ってからでも間に合うものは多かったと思う。

これから起業する人へのアドバイス

企業する前に、自分の職種にはどんな情勢がリスクになるのかを一度考える時間を作って欲しい。また、今の日本の有り方、これからの過ごし方は手探り状態になるので、そんな中でも活躍できるのかどうかを考えて欲しい。個人事業主は国から守られていない存在であること。始めてしまったら退職金もない、失業保険もない。確かに会社員時代より自由で人間関係も楽にはなったが、「何かが起きた時」は誰も助けてくれない。ということを忘れてはならない。上記を鑑み、収入が途絶えても最低半年は衣食住を維持できる財力を用意することをおすすめする。感染症だけではなく、災害や天災も近年大きくなっている。そんな中でいかに自分の力で生活を維持できるのかを常に考えて起業されることをおすすめする。

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