起業の詳細について
形態(法人or個人事業主)
個人事業主
起業した経緯
会社での人間関係がうまくいかず、毎日出勤するが辛かったです。同じように夫も短気な性格があだとなり、先輩に言われる一言でカッとなってしまい言い返して気まずくなるのが日常茶飯事でした。お互い暗く過ごしており、仕事が楽しくないと毎日毎日が面白くないし、何のために生きているかわからないと思い、思い切って二人で起業してみようとなりました。そうすればお互い一緒にいられる時間も増えるし絆も深まるだろうと考えました。
起業前の経歴
夫はトラックドライバー、私は介護職で働いていました。お互い不規則な生活で平日はあまり顔を会わすことはなく、休日も合わせられることはなく、合ったとしても疲れ切っていてどこかに出かけるなどは全くありませんでした。夫はトラックドライバーの前は長年営業職でしたので、人当たりはよく接客やサービス業は得意でした。残念ながらその会社が倒産してしまい、慣れないトラックドライバーになりました。私もずっとサービス職でしたのでもっと人と関わる仕事がしたいと思いました。
起業内容
夫の父親が昔トラックを改装して焼き鳥を販売するキッチンカーをしていました。たれなども自分で作っていたのでそのノウハウを教えてもらい、私たちも焼き鳥屋を始めることにしました。最初は店舗を探しましたがどこも家賃が高く、かなりの借金を覚悟で始めなければならないので初期費用を抑えられるキッチンカーにしました。スーパーなどの入り口で手数料を払って販売する許可をもらい営業を開始しました。他にもスポーツやイベントなどの日に出店しました。
イメージしていた成功ストーリー
スーパーなどで継続して行うことで顧客もつき、安定した収入を得られると思っていました。また、音楽やスポーツイベントなどに出店すればボーナスのように1日で何十万という収入が得られると思いました。そこで口コミなどが広がればさらに売り上げものび、将来的には店舗をかまえることできるだろうと考えていました。
夫婦で協力して行うことで絆も深まり、ゆくゆくは子供もできて、子供も一緒にお店を手伝ってくれるような家族が夢でした。
サービス・商品メニュー内容
焼き鳥販売のキッチンカー
1本最安100円から200円まで。常時10種類以上の串を用意。鳥だけでなく豚や牛も販売。
上手くいった点
スーパーの入り口で焼き鳥を焼いていると、タレのいい匂いが遠くまで届き、ついつい買ってしまうお客様が多かった。買い物前に注文してもらい、買い物から帰る頃に出来立てをお持ち帰りできるので、お待たせすることがなかった。日常よく使うスーパーなので、気に入ってもらえれば頻繁に買いにきてくれる常連客がすぐに多数ついた。イベントでは個別注文に対応するのは難しいため、10本セットなどにしてどんどん売りさばけばよかったので単価も効率も良かった。
失敗した点
店舗を持たないため鶏肉を補完する冷凍庫が家のスペースをかなりとってしまった。また大きい冷凍庫は置けないので、種類を増やしたかったり、売れ筋商品はもっと多くまとめ買いしたかったがそれができなかった。在庫を考え発注するのが大変で、しょっちゅう買い物にいかなければならなかった。屋外なのでとにかく夏は暑く、冬は寒い。天候に左右されやすく、雨の日は誰もこない。風の強い日も物が飛ばされたり、火が消えたり危険が伴うので出店を控えなければならなかった。
特に心に残っている失敗エピソード
大きなスポーツイベントに出店した際、10本セットを大量に作って用意していたが予想に反して全く売れなかった。人は通るものの足早にみな家路に急ぐので
立ち止まってくれなかった。売り上げはないのに、高額な出店料を払わなければならず、かなりの赤字がでた。また、大量に作ったセットをさばききれず家で食べるしかなかったが2,3日食べて肉は固くなるし飽きてもくるし、結局大量に廃棄することになってしまい損失も大きかった。
起業の結果について
人数(社員やアルバイト)
基本は夫婦2人で、私が一緒に行けない日は高校生にアルバイトにきてもらった。
最大月商
50万円
最大借金
0円
結果(今の状態)
キッチンカーは廃業。夫がもらい事故にあい、しばらく運転ができなくなった。そのためそのあいだ休業を余儀なくされ、その間にスーパーには他の焼き鳥のキッチンカーが入ることになりそのままい続けられてしまい、出店場所を失いました。夫のケガが治ったあと新しく出店できるスーパーを探してもすでにいたり、出店自体断られるケースが多かった。場所がなくては営業すらできず、在庫も破棄するしかなく何もできない日々が続きそのまま廃業しました。
過去の自分が改善すべきだった点
夫が主に焼き鳥を焼き、私がそれ以外の業務を行っていました。しかし夫が交通事故にあってケガをしてしまったとき私では焼き鳥を焼くことができませんでした。夫婦二人で行うからこそ、どちらかに何かあったときでも対応できるようにしておかなければなりませんでした。また、出店直後は開店祝い的に買ってくれる人が多かったので、これはいけると勘違いしてしまいました。スーパーだけでなく、ランチタイムを狙った出店などもっと範囲を広げて考えれば良かった。
これから起業する人へのアドバイス
見切り発車は危険です。特に夫婦、家族で起業する場合は夢だけ膨らみますが、イライラすることも増えます。一人の時間が欲しくなることもあり、時には夫婦関係も悪化し、それがお客様にも伝わってしまいます。借金をして店舗を構えるか私たちのように初期費用を抑えキッチンカーから始めるかは、どちらがいいかはわかりませんが、しっかりリサーチしてから始めることが大事です。経理業務なども必要となってきますので頼れる専門家などが知り合いにいれば尚心強いと思います。
コメント