起業の詳細について
形態(法人or個人事業主)
個人事業主
起業した経緯
将来的に大きなキャリアアップをしたいという希望から、未経験でSESを扱うIT企業に就職しましたが、自分が思い描いていた業態ではなく、学びたいことを学び、実力次第でどこまでも上を目指せる仕事をしたいと思い、ほとんど独学でWebシステム開発のフリーランスとして活動していくことを決め、退職後、案件獲得のために日々の学習から、自分自身のスキルアップと並行して営業活動を行なっていました。割とすぐに契約会社が決まり、2020年1月に個人事業主登録をしました。
起業前の経歴
もともと音楽関係の仕事を目指し、専門学校で音響技術を学んでおり、学校卒業後にライブハウスでのアルバイトやレコーディングスタジオでの就職をしていました。しかし、将来のビジョンを考えた時に、当初交際していた現在の妻と結婚を考えた時に、今の職業では難しいと考え、退職をした後に派遣アルバイトや自動車関係の整備士を検討後、現代のIT産業を考えた時に、間違いなく需要のある業界へ就職したいと思い、IT企業への転職をしました。
起業内容
複数あるITの業種の中でも、比較的在宅で仕事ができるWeb関係の仕事を選び、契約先のクライアントが3社決まったことをきっかけに、Webシステム開発エンジニアとして個人事業主登録をしました。PC1台とモニター、タブレットがあれば十分仕事を行えるため、開業資金も必要なく(IT系ソフトの購入はしました。)始めることができました。HTML、CSSといったWebに欠かせない仕事を行うHTMLコーダーとして複数仕事をもらえました。
イメージしていた成功ストーリー
Web関係のキャリアで未経験でスタートした人は多く、現在でも多くの人がキャリアをスタートしている中で、しっかりと自分のポートフォリオを作れて案件獲得に繋がる実績を残せる人は全体の9割であるという事実から、最初の段階で複数の案件を持つことができた、私は完全に天狗になっており、開業登録をしてからシステム開発の学習も同時に始めることにしました。システム開発=稼げるというイメージと、数多くのブログによる経験談から、自分のやる気と根性さえあれば、すぐに稼げるようになれると思っていました。
サービス・商品メニュー内容
新規Webサイトのデザインから、既存で運用しているWebアプリケーションのシステム開発や機能修繕を行っていました。
上手くいった点
開業をした同時期(2020年1月)に3社と立て続けに案件受託をすることになり、それまで多くても手取り月収17万円だった私が、初月から2倍近い月収を稼げたことです。本気でポートフォリオ制作をして、営業をした結果、初月から案件をたくさん受注できたという事実と会社員ではできなかった仕事ができたことがこの上なく嬉しく、今後のキャリアも自分にとって大成功するものだと本気で思っていました。自分が作ったWebサイトが実際に運用されていることを確認できたことも、自分の自信に繋がるきっかけになりました。
失敗した点
そんな案件受注をしていく中で、どうしてもネックになっていたのが技術面でした。ほとんど独学(3ヶ月)で未経験開業を行なったため、受けた案件が技術不足でこなせなくなってしまうようになりました。同時に3月から始まったコロナウイルス騒動により、案件受注をしていた契約会社と連絡が取れなくなってしまい、案件の達成と報酬両方を失い、最も案件単価の高かった会社との契約継続ができなくなってしまいました。そのことから、全体の月収も約半分になってしまいました。
特に心に残っている失敗エピソード
コロナウイルス騒動が始まった2月末から、3月にかけて受けていた案件は特に技術面でも不足が大きく目立ち、案件自体を他のエンジニアに回すということも起こるようになってしまいました。結果的に案件を受託していた会社とは、連絡が取れなかったのですが、技術面で自信があると大きく言って営業していたこともあり、信頼を失ってしまっていた原因でもありました。”他の人に任せる”という言葉がとても悔しかった記憶があります。
起業の結果について
人数(社員やアルバイト)
一人での開業だったため特にありません。
最大月商
初月で38万円(手取り32万円)
最大借金
開業資金ではありませんが、その後の生活費として30万円の借金をしました。
元もと専門学校の奨学金もありました(320万円ほど)
結果(今の状態)
現在もシステム開発エンジニアとして、Web関係の仕事を継続していますが、他の事業主はたくさんいる今の日本で、誰にもない技術とサービスを作ることを目標に、日々の学習を続けています。結果的に大きな損失を作ってしまいましたが、失敗を経験したからこそ自分に足りない知識とスキルを大きく知るきっかけにもなりました。生活をやっていく上で必要な資金はなんとか作れているので、あくまでもポジティブに楽しく学んでいます。
過去の自分が改善すべきだった点
しっかりと自分自身の能力を把握し、フリーランスになった時に必要な最低限のスキルを知るべきだったと思いました。他社の意見を鵜呑みにして開業するタイミングを早めてしまったこともありますが、クライアントが求めているスキルと本当にできることをしっかりと一致させないと必ずボロが出て失敗するということを学びました。開業をするタイミングは、業種によって様々であり、比較的いつでもしやすいのがシステム開発です。しかしシステム開発で必要なスキルは、とにかく対応できる知識と技術なのだと思います。
これから起業する人へのアドバイス
今、様々な業界がリモートワークに切り替え、よりIT技術が進化していく時代になっています。その中でも、フルリモートで働けることを理由に多くの人がプログラミングを学んでいることが分かりました。その中でも、私自身もブログや情報発信をする多くの先駆者によって、あたかもプログラミングは簡単というイメージをもたれていることもあり、失敗する人も増えているようです。私も、自分自身の技量を把握できず、結果的にクライアントを失ったことで収入激減に繋がり、苦しい思いをしました。これからIT系で独立したいと考えている方は、案件のレベルと自分の技量がしっかりと一致していることを把握した上で起業をするといいかと思います。
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