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【月商10万円/借金200万円】置き勉をしたい大学生をターゲットにした月極ロッカールームで起業

【月商10万円/借金200万円】置き勉をしたい大学生をターゲットにした月極ロッカールームで起業
目次

起業の詳細について

形態(法人or個人事業主)

個人事業主

起業した経緯

大学時代、実家から二時間以上かけて通学をしており、毎日教科書を運ぶのが大変でした。しかもマンモス大学で大学に個人のロッカーがないのです。そこで、大学の最寄り駅から大学までの間に月極でロッカールームを経営すればよいのではないかと考えました。また、働きづめの毎日でしたら、「不労所得」という言葉にあこがれを持っていたのも正直あります。ロッカールームを経営すればそこの大家になって収入源を得れる。他に同じような業態で経営する競合も存在しないし、起業前は絶対に儲かると思っていました。

起業前の経歴

サラリーマンで、医療福祉関連の施設に営業をする仕事でした。業種によっては東京・大阪に企業が集中するということもあるのでしょうが、私が所属したセクションのお客様は医療福祉ですから、病院はどんな地方にもあります。いえむしろどんな田舎であったとしてもなければなりません。必然的に出張も多くなり、サービス残業が月に120時間を超えていました。それなりに給与もあったのですが、人の3倍働かされているのに給与はせいぜい人の2倍程度といった状態でした。とにかく、何物にも縛られない自由な時間が欲しい。独立開業さえすれば解放されるという思いが募っていきました。

起業内容

大学と大学の最寄り駅を結ぶ、商店街で、雑居ビルの2階以上にある比較的安くて広い物件を借りて、そこに大量のコインロッカー(正確には鍵を返してくれなかったり、利用者がカギをなくしてしまうリスクも考え、自分で暗証番号を登録し、施錠、解錠できるタイプのロッカーで、お金は受付で払うため、ロッカー使用時にはロッカーにお金を投入することはないタイプ)を配置し、入会金をとって、月極で貸す。置き勉をしたい大学生をターゲットにした商売でした。

イメージしていた成功ストーリー

大学に在籍する学生は30000人、であれば、商店街を日々歩く下宿生でない学生は少なくとも20000人が、毎日重い教科書をもって何時間も通学しているわけだから、そのうちの1%でも200人が、月極ロッカーを借りてさえしてくれれば、月2000円×200人で40万円の売り上げが望めるし、しかも経費はほぼ固定費であるテナントの賃料だけで変動費はかからないので利益になると考えていました。そうなれば、働かずして毎月30万円が自動ではいってくると、捕らぬ狸の皮算用をしていました。

サービス・商品メニュー内容

入会金3000円で月極でロッカーを2000円で貸す以外にも
半年以上の長期契約を結んだ人に入会金を無料にするなどのプランを用意したり、
大きなロッカーや小さなロッカーを用意して部活の道具を持ち運びする学生もターゲットにしました。

上手くいった点

国民生活金融公庫でお金を借りる際も事業計画書を作って提出し、担当者にも激励されました。確かにニーズがあったので見学にくるお客さんは多かったです。また、ほとんどのことを自分でこなせたので、人を雇ったりせずに済んだこともよかったと思います。またインターネットで仕入れる予定だったロッカーが搬入できるか、借りる予定のテナントに何度も足を運んでメジャーで採寸し、大きすぎて入らないといようなことが絶対におこらない様にも配慮することができました。

失敗した点

基本的に待ちの商売であるため、競合が出てきた場合、差別化することができず、ただただ値下げ合戦がおきます。また、不労所得を目指しましたが、やはり、突然やってくる入会希望者もいるので受付には待機しておく必要があります。そうすると、することはないといっても、朝早くから夜遅くまで管理人は拘束されることになります。
また、その商店街に空きテナントを持っているオーナー自身がこの貸しロッカー業に参入してきた場合、テナントを借りて営業しているこちら側はどうやっても勝つことができません。

特に心に残っている失敗エピソード

学生街なのでとにかくお金にシビアでした。解約する時日割り計算をするのですが、わずか10円でも多くお金を取り戻そうとする人がいたり、店じまいをするとき、3カ月以上こちらから電話してもなんの連絡もなかったし、その場合はロッカー内に残っている物品を処分する旨規約に書いていたのに、後から文句を言ってくる人が居たりして大変でした。(おそらく、月の会費を未納だったので、そのままトンズラするつもりだったけども、レポート提出のためにロッカーに入れっぱなしだった指定の教科書がどうしても必要になったのでしょう)

起業の結果について

人数(社員やアルバイト)

人は雇わずに自分でほとんどのことをこなすことができました。チラシ配りをするときだけ日雇いで数人雇いました。

最大月商

10万円

最大借金

国民生活金融公庫から200万円の借金をしました。

結果(今の状態)

学生は社会人と金銭感覚が違い、特に前払いで何千円を払うということを嫌いました。そのため、会費収入が家賃を下回る日々が続き、さらには、競合が出てくるという噂をききつけました。また、当初不労所得が欲しくて開業したのに結局、ロッカーの管理人として長時間拘束されてしまうため、廃業することと相成りました。廃業後は、親からお金を借りて、まずは利子がついてしまう国民生活金融公庫からのお金を返しました。私立の学校の講師に転職してサラリーマンに戻りました。収入は起業前に務めていた会社よりは少ないですが、残業もなく、バランスよく働けていると思います。親から借りた借金はその後5年かけて返すことができました。起業したのは20代だったので、人生を棒に振ることなくやり直すことができたのだと思います。

過去の自分が改善すべきだった点

起業前の調査は十分だったと思いますが、起業後、市場がどのように変化するかを考えるべきでした。真似をして後追いをする者が出てくる可能性がありますから。自分が展開しようとする事業がそのような後から簡単に真似されるタイプのものがどうかを考える必要がありました。自分の事業は空きテナントを借りてロッカーを置くだけですから簡単に真似されてしまいます。同じ業態のライバル店ができると、サービスに差別化ができなければ価格競争に引きずり込まれてしまいます。

これから起業する人へのアドバイス

起業する人は起業する前はうまくいくことしか考えません。ですから、うまくいかなかった場合のことも考えてほしいです。起業する時の借金というのはサラリーマンがするであろう借金と比べてケタが一つ変わってきますから、失敗したり、その後リカバリーするのに何年もかかってしまうことがありますし、最悪、一生かけてもリカバリーできない場合もあります。うまくいかなかった場合、借金はどれくらいして、どのへんで見切りをつけるか、「損切設定」は開業前に決めておかないと傷口はどんどん大きくなってしまいます。

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