起業の詳細について
形態(法人or個人事業主)
法人
起業した経緯
もともと金融機関で勤務していました。しかし昨今、日銀によるマイナス金利政策導入や、著しい低金利での価格競争など、金融機関をとりまく環境はたいへん厳しいものでした。私自身も転勤による配置換えで、給与額が大幅に下がったことから会社に対する不満がたまり、また先行きが決して明るくない業界であることから企業を決意しました。下記金融機関での経歴を活かしたビジネスができるのではないと、考えたのも理由のひとつです。
起業前の経歴
大学卒業後、金融機関の営業職として7年間程度働きました。大学では経済学部や経営学部などの出身ではなく、文系の学科出身です。金融機関の経歴で最も長かった部署は、地域法人向けの経営相談と融資提案でした。また、訪問する法人に勤務する従業員さんへの住宅ローン提案や、個人向けの運用商品紹介などを行いました。幅広いジャンルの経営者と接してきたため、経理からはじまり、会社経営の流れはある程度理解していたと思います。
起業内容
主に代行業です。法人が融資を申請するときの事業計画書を作成したり、法人ではほぼほぼ全ての企業が借り入れを行っていますので、利率引き下げ交渉に臨んだり、財務内容の診断をしたりすることが多いです。総じて経営者へのコンサルティングが中心であると言えると思います。他には、企業または個人での資産運用相談を受けて、資産背景に沿った運用商品を紹介することもあります。また、最近ではウェブ上で記事を書いたり、情報発信することも多いです。
イメージしていた成功ストーリー
自分で出資して、株主となり、また代表取締役として活動することで、いわゆるオーナー社長として活動をイメージしていました。これのメリットとしては、代表取締役は基本的に役員報酬を法人の期中で変更することはできません。ただし、オーナーであるということは、決算後の利益に応じて配当金を出すことができます。その為、ビジネスで成功した際には、通常の雇われ社長では毎月決まった報酬しか得られませんが、オーナー社長の場合はより多くの収入を得ることができます。以上を成功のストーリーとして描いていました。
サービス・商品メニュー内容
法人向け事業計画書の作成。借り入れバランスに対するコンサルティング。資金繰りに対するコンサルティング。(対金融機関においてのコンサルティング全般)
上手くいった点
法人設立にあたって、定款の作成から認証まで、すべての手続きを自分で行いました。通常司法書士などの専門家に依頼するとき、(資本金1,000万円以下の場合ですが)登録免許税含めたすべての設立費に400,000円~500,000円程度かかります。私の場合は中間マージンをカットできたので、100,000円~150,000円程度は安く済んでいるはずです。通常独立の際にはそこまで大きな資本金を入れないので、この数十万円の差は大きかったと思います。
失敗した点
調子がよい時ほど、足元を固めなくてはならないと思います。たとえば各種専門家に依頼を出す際に、少しくらい高くても今の業況なら構わないか。といった心境になりがちですが、1年間で会社の経費を見た際に、大きく影響がでます。はじめのころは相みつさえもとっていなかったので、数年間は大きく損失をだしていたと思います。その分は、本来役員報酬や配当金支払いにあてられたので、すこしもったいなかったですし、失敗だと思います。
特に心に残っている失敗エピソード
まとまった資金が入った時に、金融機関との付き合いで、金融商品を購入しました。具体的には投資信託と、リートを購入しました。ちょうど新型コロナウイルスが出始めたころだったのですが、ひとたび新型コロナウイルスが猛威を振るいだすと、数か月の間に株価や不動産価格がそろって暴落し、購入した投資信託とリートの価値が今では6割程度になっています。あくまで余剰資金で運用するのはよいのかもしれませんが、短期間で大きな資産を失いました。
起業の結果について
人数(社員やアルバイト)
1名(10名程度)
最大月商
1,200万円
最大借金
100万円
結果(今の状態)
業績の波がかなり激しいので、大きく利益がでる月と、ダメな月との差が激しいです。また現状新型コロナウイルスの影響下、ほぼほぼ経済が弱まっているので、財務体質はまだまだ弱いなと痛感しています。ただし、不安な気持ちもありますが、自分で好きなことをしているので、ストレスをためながら、いやいや働いていた時よりは充実しているように思います。また、最初に起業するときは不安な面も多々ありましたが、結果良かったと思います。
過去の自分が改善すべきだった点
独立するまでに、遅すぎました、数年間不満な気持ちや、わからないことだらけだったのですが、ろくに調べもせずに、また具体的なアクションを起こしていませんでした。これは非常に無駄な時間であったと思います。わたし自身は30代で起業しましたが、今では大学生でも起業していることも珍しくありません。思い立ったらすぐに行動して、自分の一度しかない人生をチャレンジしてみるのが、とても良い事だと思いますし、遅さには反省しています。
これから起業する人へのアドバイス
よくよく下調べをしてから、チャレンジしてみるとよいと思います。一度進んでしまえば、ある程度は何とかなるものです。今の環境下で不満がある方や、何かやりたいことがあるかたは、起業してみるのも選択肢のひとつではないでしょうか。現在各種専門家はたくさんおりますので、独立後もわからないことはすぐ解決できると思います。費用面で気になるかたでも、低金利で資金調達できる市区町村の制度もありますので、参考にしていただけたらと思います。
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